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1/27/2016

アディダスのスポンサーシップ離脱

先日アディダスが国際陸連のスポンサーシップから離脱するというニュースがありました。

国際陸連というのはIIAFと略称される、いわばサッカーでいうFIFAのような組織で世界陸上などの大会を行っています。

前のセメスターにとったメディアのクラスでのことです。中東及び北アフリカのスポーツメディア市場を調査するプロジェクトで、カタールにてIIAFのChampionshipが2019年にカタールで行われることが決まっていたので、その際にIIAFの存在を知りました。

さてこのアディダスの離脱のニュースですが、伝えられている内容によると2008年から2019年までの11年契約で、契約期間から察するにカタール大会までを含む内容で、期間途中で契約を破棄したことに大きな意味があります。ドーピング問題が実施競技の公平性を大きく阻害しており、その結果ファン離れが起こり、広告価値が減少、そしてスポンシーと継続的に関与することがアディダスのブランドまでを阻害するとまで考えた、それゆえのスポンサーシップ離脱といってもおかしくはありません。

昨年のFIFAの混乱ではVISAなどのスポンサーが組織の透明性を求めて声を挙げました。スポンサーもお金を出すことでの広告だけに留まらず、スポンシーの透明性まで求める時代に突入したことの幕開けといっても過言ではないです。

収入源が絶たれたIIAFに組織改革は待ったなしです。ここでNikeやNew Balanceがスポンサーとして積極的に前に出てくるのでしょうか。あるいはこのタイミングではどのスポーツブランドも静観を維持するのでしょうか。今後の動きに注目です。

1/22/2016

CRM

アメリカで旅をするとき、予算を考えるとどうしても一流ホテルに泊まることに躊躇してしまいます。

そこで、かなりの頻度(といっても2回だけですが、)でHilton系列のHampton Innを利用しています。品質はMarriott系列のResidence Innと同じくらいです。Residence Innも2回利用したことがあります。

両方の共通点はバッフェスタイルの朝食が無料で利用できることです。

なぜホテルの話をしているかというと、最近Sales Promotionのクラスの教科書を読んできて、特に既存顧客をどのようにつなぎとめるかに敏感になっていたからです。

前回Hampton Innを利用したのは去年のThanksgiving休暇中のOrlandoでした。そう、Disney Worldのすぐ近くで、Disneyの無料バスも停車するホテルです。

何に感心したかというとチェックアウト日の朝に部屋の扉に挟まっていたStatementの裏側に書いてあった文章です。電話番号とemail以外はタイプしてある通りに下記に記載します。


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How was your stay?

Were you EXTREMELY satisfied with the accommodations and the services we provided?

If you are NOT extremely satisfied - Please give me a chance to fix it.

Please call me at xxx-xxx-xxxx OR email me xxx@hilton.com.

Your satisfaction is our guarantee. We love having you here!
[Name], General Manager.

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タイトルのHow was your stay?の両端にはミッキーとミニーのロゴが付いています。

部屋に歯磨き粉がなくて、フロントデスクにて無料で入手できると部屋の中に案内があったので、フロントデスクの人に問い合わせをすると、最初は少量の1回使えるくらいのをくれたのですが、加えて何日泊まるのか聴かれ、3泊と答えると気を利かせてもう少し大きいの(普通にお店で売っている小サイズの歯磨き粉)をくれました。
また、タクシーもぼったくりではないちゃんとした運転手を手配してくれたりと、非常に親切でした。

個人的には非常に満足の滞在ができるホテルでしたが、それに加えて問題があればそれを直す機会を与えてほしいという姿勢にも感心を持てます。

上記のような文言がはいったStatementは私の記憶する限りではOrlandoのHampton Innだけです。

スポーツの世界のみならず、サービス業の世界では日本は「おもてなし」「おもてなし」と叫ばれて、ついサービスを提供する側の自己満足に終始してしまう可能性がないわけではありません(日本のサービス品質を否定するつもりは全くありません)。

日本でサッカーを観戦したときのことですが、今日の観戦の体験はどうだったかというサーベイを受けたことは個人的にはありません。多くの人は勝ち負けに関心があるのは確かですが、多くの人に再び観戦したいと思える環境づくりに努めることも運営側には必要です。

観戦に訪れるスタジアムでは安かろう、まずかろうの食べ物(実際には割と高いです)の提供ではなく、温かいものを温かいままで提供できるように日本のスタジアムも変わらないといけないでしょう。

Washington Nationalsの本拠地、Nationals Parkに行けば、私がよく利用するのはスタジアム内のShake Shackです。そう日本で大人気の神宮外苑前にあるShake Shackです。そのほかにもおいしいものが取り揃えてある売店があります。繰り返しになりますが、日本のスタジアムも変わらないと(私がまだ知らないだけかもしれませんが、少なくとも2014年の冬までの日本のスタジアム経験と比べるとアメリカのほうが格段上です)。

1/21/2016

Spring Semester 2016

最後のセメスターが先週始まりました。1月の中旬にスタートし、3月上旬の春休み、下旬のイースター休みを挟み、5月の中旬に完結します。

残り9単位でついに卒業が可能となります。

当セメスターで登録している科目は
  • MPSM Sports Digital Media Strategy
  • MPSM Sports Sales, Sponsorship and Revenue Development
  • MPSM Capstone
になります。

上の二つの科目は私が選択しているMarketing, Communication & Digital Mediaのトラックで卒業に必要な科目です。

また、Capstoneとは必ず全員が取らなければならないクラスで、平たく言えば、卒論です。自分でテーマを決めて30ページの論文を書き、4月の下旬にパネルの前で15分間のビジネスプレゼンテーションを行います。ネイティブスピーカーでも緊張しているというかナーバスになっている姿を前回、前々回のセメスターでも見てきました。失敗できない一発勝負のような感じです。論文は当然内容面でオリジナリティーが必要で、しっかり議論できるレベルに到達していないと良い評価は得られません。卒業にはB評価以上が求められます。

各科目については今後随時中身を紹介したいと思います。

12/17/2015

Sponsorship

先日FIFA Club World Cup 2015に参戦している中国チームのニュースを見て大変驚きました。

http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK10H4I_Q5A211C1000000/

広州恒大がACLの決勝第2戦で、ユニフォームのスポンサーを東風日産から広州恒大のオーナー企業グループの保険会社にすり替えをしてしまいました。

ユニフォームの胸スポンサーといえば、袖や背中、パンツと比べて一番エクスポージャーの大きいスポンサーです。ニュースによれば、東風日産は2年契約で日本円で約19億円を支払っているそうです。

それを注目の集まるACLの決勝第2戦で、いくら注目が集まるからといって、新たに買収してグループに入った保険会社の新会社名を中国国内に浸透させたいからといって、胸スポンサーの名前をすり替えてしまうとは、個人的に衝撃を受けましたし、中国ビジネスが不可解なものと映りました。

現在行われているFIFA Club World Cup 2015では広州恒大は東風日産のロゴの入ったユニフォームを着て戦っているようですが、準決勝以降ではどのユニフォームなのか個人的には注目しています。

http://www.sankei.com/economy/news/151216/ecn1512160029-n1.html

産経に続報があり、東風日産が提訴に踏み切ったようです。ACL第2戦でユニフォームの胸スポンサーを変えたい旨を話あっていたようですが、実際のところ当然合意に至らず、「勝手に」ユニフォームをすり替えをしてしまったようで、試合直後に抗議を入れた状況からは、ACL決勝という大舞台でスポンサーの価値を大きく棄損していると言わざるをえません。

12/11/2015

チームプロジェクト

Financeなど一人でExcelをがつがつ操作する科目を除いて、ほぼすべてのクラスでチームプロジェクトというのが存在します。

たいていの場合は4人から5人でチームが構成され、チームのメンバーは教授があらかじめ決めている場合と、自分たちで作る場合があります。

なかにはチームワークは苦手と明らかに打ち明けてくるメンバーもいますが、その理由はスケジュールが自分でコントロールできないから、という理由でした。あるいはなかなかチームの意見が集約できないとか。確かに実際の仕事の場面でも複数のプロジェクトを抱えていればスケジュールの問題は起こりえます。たとえば、今彼はどんな仕事をどのようなタイムスケジュールで行っているかわからなければ、チームは仕事の割り振りがしづらいですよね。

ある日本人駐在員の海外での話です。レポートラインが2つあり、日系サービスの日本人上司とうまくいっていないケースがありました。彼はもう一つ駐在先で国際業務も抱えていました。国際業務に魅力を感じて駐在を志願したものの、不定期のチームミーティングがあり、その状況から、日系サービスの日本人上司は彼の日系サービスに対するコミットメントを高く評価できない状況にありました。ひらたく言えば、別のミーティングを理由に都合よく逃げているといえばいいでしょうか。

非常に優秀な人です。普段からうまく密にコミュニケーションをとっていれば上司の疑念はひょっとしたら避けられたかもしれません。

ごく当たり前のことですが、スケジュールを公開する。変更があれば、適時に更新する。基本です。

さて話は戻って学校でのチームプロジェクトです。プログラムの最後にはメンバーの評価をするpeer evaluationがあります。なかにはinternをやっているメンバーもいます。internが単位に加算されるためには週に20時間以上働かねばならず、学業の負担にもなります。しかし、これもプログラム修了後のフルタイムポジションを取るためです。

私はpeer evaluationは割と厳格に行います。厳しくつけたところでどれだけ成績に響くかわかりませんが、率直なフィードバックが学生、そしてプログラムの今後に活かされることを期待します。

タイムリーにメールの返信をしたか、デリバリーしたか、いろいろ判断基準がありますが、どれも仕事と同じです。仕事になると(たいていの場合)上司からの一方的な評価になりますが、チームのメンバーはほかに3人や4人います。誰か一人の主観的な意見に左右されず、うまく平準化されるので悪くない制度だと思います。

12/08/2015

MLBのストーブリーグ

つい先日前ジャイアンツの青木選手のSeattle Mariners入りが発表されました。すでに情報が出ていますが、全Marinersの岩隈選手はLos Angeles Dodgersと複数年契約を結ぶようです。

青木選手のMariners入りが確定した時点で私はMarinersの視点からは何が何でも岩隈選手との再契約は優先事項ではなくなったと思っていました。

なぜか。

Marinersのオーナーが任天堂というのは有名な話ですが、Marinersの本拠地Safeco Fieldで行われる公式戦のバックネット前広告は佐藤製薬であったり、その他日本企業であることが多いです(イニングごとに切り替わります)。球団にとってボールパーク内の広告は貴重な収入源ですから、球団は明らかに日本市場を向いているというのはわかります。

岩隈選手の前にもいくつもの日本人選手が在籍したMariners。イチロー選手、佐々木投手、長谷川投手。岩隈選手は先発投手ですから、登場するのは5日ごととかで、しかも必ずしも本拠地での登板とは限りません。もちろん生中継だけでなく、スポーツニュースにも流れますが、先発投手のエクスポージャーは頻繁ではありません。一方、これから入団する青木選手。レギュラーが獲れれば、毎日試合にでるわけで、スポーツニュースに打席のシーンが登場することも多くなるでしょう。エクスポージャーが増えれば、それだけ広告価値も高まり、広告収入の上昇も見込めます。

もちろんチームが勝つことは重要でしょう。現に、Marinersは何年もプレーオフから遠ざかっているため、地区優勝することを目指すなら戦力の充実は重要です。ただ、戦力を充実させていくためにはお金も必要で、その点でMarinersが絶えず日本市場も視野に入れて日本人選手を在籍させている、特に今回は野手の青木選手を獲得という点は見逃せません。

10/19/2015

Business Risk

アメリカにいる現在でも、ここ最近日本では横浜のマンション傾斜問題は大きく取り上げられているのではないかという印象を受けます。

消費者である住民は一生ものの買い物をした一方、販売業者、施工業者は十分な注意義務を払って消費者に商品・サービスを提供できたのか。

スポーツの世界でも可能な限りリスクは回避できるように運営されてしかるべきです。細かいところでいえば、チーム管轄下の選手のSNS発信。わけのわからないことが世界に発信されてチームのブランドが傷つかないように。NFLをよく騒がせるDV(家庭内暴力)もひとつのリスクでしょう。

そのほかに、災害が起きた時にスタジアム内の観客を安全に誘導できるようなプランが設計され、現場スタッフに指導が徹底されているか。

話をマンション傾斜問題に戻して、果たしてこのリスクは回避できることができたのか。販売業者の三井不動産レジデンシャルは上場会社の三井不動産の子会社ですから、財務報告に係るリスクはちゃんと手当てするようなプロセスがあってしかるべきです。では究極的に財務報告にヒットしてしまう今回のようなビジネスリスクは?

おそらく三井不動産レジデンシャルの経営陣にとってほとんど検討したことのないようなリスクなのでしょう。間違っているかもしれませんが、契約をきっちり交わして施工業者に工事をお願いするわけですから、三井不動産レジデンシャルは性善説にたって、施工業者の下請け監理状況まではチェックを行おうとしないでしょう。おそらく、契約書に「施工業者は下請けを設ける場合には、下請けを責任をもって管理する」なんて文言があり、「責任が履行されない場合には販売業者である三井不動産レジデンシャルに対して賠償責任を負う」と責任を明確にしているのではないでしょうか。

でも、もし責任が履行されないときに、お金による解決はできても消費者であるマンション購入者は長期にわたり不安に貶められてしまうわけですし、当の販売業者三井不動産レジデンシャルの評判も著しく棄損することでしょう。

会計監査の経験に基づいて、ビジネスリスクを管理するサービスを提供する日本国内の大手監査法人。今回の事件に対処する専門的スキルが備わっているかというと疑問です。私が一緒に仕事をした仲間では上司を含めて建築の専門的知識を有している人はいませんでした。「下請け監理のリスクとコントロールを識別して文書化、コントロールテストをしましょう」というところまで監査法人ではできますが、果たしてコントロールのテストまで請け負ったときに、ちゃんと証跡を正しく読める人材がいるのか(さらに踏み込んで、偽装の可能性まで見抜けるか)。残念ながら厳しいです。

今回の件に関しては、監査法人のビジネスリスクサービスの無力さを感じてしまいます。

2020年の東京オリンピックに向けてスタジアムの新規建築、マンション需要の増加が見込まれて、建築にまつわる今回のようなリスクは確かにそこに存在するのにです。

現状の監査法人だけでは対処できないリスクですから、大手建築事務所やゼネコンとタッグを組むというのも一つの手段としては良いかもしれませんが。

10/18/2015

Excel

仕事で使っているとみんなできて当たり前と思ってしまうExcelの能力。実はかなり個人差があるといっても大きな間違いではないかもしれません。

人によってはほとんどマウスを使わない人もいますし、マウスばかり使う新人を見たこともあります。

そこで今回はリフレッシャーとして、無料のExcelデモ動画を紹介します。

http://excelcentral.com/excel2010/essential/tutorials/default.html

Sports Business & Financeで教授に紹介されたウェブサイトです。今後授業が進むにあたって、Excelを使うことになるから、確認しておいてくらいのノリです。

当たり前すぎるなんて項目もありますが、確認してみると発見もあったりして面白いと思います。項目ごとに細切れになっているので空き時間に少しづつ動画を確認するのもいいと思います。

10/05/2015

Sports sponsorship

先日FIFAのスポンサーを務める主要4社がFIFA会長の即時辞任を求めるというニュースがありました。

スポーツの世界では本当に話題に事欠くことがありません。

その主要4社は以下の通り。
  • Coca Cola
  • McDonald's
  • Anheuser-Busch InBev
  • Visa
NY Timesによれば、Coca Colaに至っては1982年からスポンサーということもあって老舗です。オリンピックとならぶ最高峰のスポーツのスポンサーとだけあって、発言力も間違いなく大きいです。

Marketingの授業ではちょうどSponsorshipの話が出てきているので、タイムリーです。教科書も同分野を読み進めているのですが、スポンサーシップによるROIを特に重視するスポンサー企業は社内にsponsorshipを吟味する専門の部署もあるようです。日本でしたら、Sony、CanonやPanasonicにあってもおかしくないです。なにせ扱う金額がとてつもなく大きいですから。

日常生活で芸術の展示会等いろいろなスポンサーを見かけることがあると思いますが、間違いなくスポーツが最もお金を費やしているスポンサーシップであることはデータ上から間違いないようです。日本にいけるスポンサー市場の規模、スポーツの占める割合等、最新のデータがほしくなりました。

FIFAの会長動向については今後も要注目です。主要スポンサーの発言力は無視できないでしょうから、何らかの動きがあるでしょう。

10/04/2015

Week 4 Sports Finance

4回目の授業ともなると、Future valueとかPresent valueとかの話が出てきました。

実はスポーツの世界ではこれらの概念はかなり多用される気がします。

選手の給料を現時点で支払うのか、それとも将来に一括して上乗せ金額を支払うのか、別の例では新しいスタジアムを建築するのに収支のプロジェクションをDCFで算出する、などなど。

この授業までには、学生は教科書を読んでくること、かつHarvardのCourse Packageで購入したケーススタディーを読んでくることが求められていました。

ケーススタディーには大まかにFuture valueとかPresent valueの考え方が簡単に記載されていて、練習問題もいくつか組み込まれているのですが、いくつか進んでいくとそれらが難しい。

別に私が解けないとかいうわけではなく、このケーススタディーだけを読んで、financeのバックグラウンドがない人にとって減価償却費にcash-outにならないから節税効果があるとか、ちょっと行き過ぎな気がします。教授もこのままだと脱線が多くなって現時点ではできないよね、となってしまいました。

この授業は別に2つのクラスがほかの教授によって同時進行しているため、私たちのクラスの教授がこのクラスの進め方を決定しているわけではないのです。だから、シラバスに縛られる我々の教授も困ってしまうような状況です。

PVやFVはいくつか練習問題を解いただけではすべてできるようになるわけでもないでしょう。CPAになるためにいくつも練習問題を解いてきたから、このように感じてしまいます。授業の終わりのほうでは見た感じだと、かなりの学生が教授の説明についていけていないように見受けられました。

次回の授業までに今回の練習問題を自分で解いてくることになっているので、次回授業はその復習に充てられることでしょう。そして、この授業のEXAM Part 1は2週間後です。

Week 5 The Business of Sports Media ESPN

ESPN
スポーツを見たことのある人ならば、特にアメリカでスポーツを見たことのある人ならば必ず知っているCable Networkです。

そのほかにもFox Sports Netとかもありますが、パイオニアといえばやはりESPNでしょう。アメリカでケーブルテレビを契約している各家庭はESPNを見るのに毎月約6ドルを支払います。かつては4ドルとかだったそうですが、高騰気味です。

アメリカでテレビを見るときは、通常Comcastとかと契約をして、毎月60ドルとか人によっては90ドルとかインターネットを含めて契約するのですが、実に60パーセント以上がESPN等のスポーツに関連するチャンネルにComcast等を通して支払われるとのことです。いろいろな番組がbundleとして契約させられるので、お得とも思いきや実態はスポーツ番組を支えるために、全く見ない番組のコストも支えていることになります。

スポーツ番組の費用が高いのも納得です。NFLやNBAの放映権のとてつもなく、それらを番組プログラムとして成立させるにはそれなりのコストがかかります。

ESPNを例にとれば、親会社であるDisneyの利益の半分を稼ぐとまで言われていますから、スポーツ番組の制作費用はもちろん高いですが、売上も稼ぎます。

日本ではテレビ番組は広告モデルで支えられているため、タダという認識が浸透していますが、ここアメリカではスポーツ番組は無料ではなく、むしろ買い物です。ネットで見るという選択肢も現れてきていますが、スムーズなストリーミングには課題も残りますから、テレビからネットへの本格シフトはまだもう少し先でしょうか。

では日本でスポーツを有料で見る日は来るのか。一部全米オープンテニスがWOWOWで放送されるということがありましたが、相撲はNHK、野球や日本代表のサッカーは民放という構図が浸透しているため、有料化へのシフトはなかなか起きないでしょうね。

9/21/2015

Week 3 Thursday Class The Business of Sports Media

先週の木曜日は、The Nationals ParkへのField Tripでした。

題材はWashington NationalsとMiami Marlins戦のPre-game TV production。

通常のゲートを越えると、Nationalsのメディア担当の方に連れられ、クラス一行は中継トラックの停めてある場所に移動。

そこでは、live映像を編集、リプレイする人たちが狭い中継車の中で数多くのモニターを見ながら作業しています。シーズン中は移動もあるため、休みはないような感じです。

裏方の中継車を離れて、今度は中継をするアナウンサーのところに移動。ホームプレートの上、5階のところに位置しています。4階は新聞記者席だそうです。

地元のMASN (Mid-Atlantic Sports Network)とFox Sports Netの両陣営のブースを覗きました。地元の人にとっては普段テレビで観ているアナウンサーと解説者です。解説者の一人は元メジャーリーガーでした。

裏方と同様、シーズン中は中々休みは取れない、代わりの効かない職業のような気がします。テレビを見る人からすれば、いつも同じ声を聴くことでほっとする部分はあるわけですし。

アナウンサーの人の職業能力を垣間見たのは、もとろんその声の良さはありますが、練習中の打撃練習を見て、打球の伸びに目を慣らし、フェンスを越えるかどうかの判断能力を調整している、という点を聞いたことでした。

9/18/2015

Week 2 Wednesday Finance

昨日はSports Finance2回目の授業でした。

全15回のセメスターの2回目なので、まだFinancial Statementsには何があるか、Balance Sheetの構成要素は何かというように、UndergradのAccounting 101の授業のような感じです。

そして、教科書に書かれているT-Accountの紹介がわかりにくいからということで、先生がいくつかの仕訳の例を紹介しました。

これまで、筋トレのように簿記をやったことのある身としては非常に簡単で、退屈な内容なのですが、初めて聞いたことのある学生にとっては、なんとなく考え方はわかるけれども、果たしてどれくらい再現可能かと疑問に思うことがあります。この内容はこれで以上で、次はまた違うトピックに進むわけですから。

皆がCPAになりたいわけではないので、必要以上に深くやる必要はないと思うのですが、会計の全般→Sportsに関わる会計という学習の流れはわかりやすく、まさに私のCareer pathと同じなのですが、普通の学生はSports businessへの関心→会計を非常に短期間に一部つまむ、という流れですから、会計のコンセプトの正しい理解を得るのは難しいのではという疑問がわきます。よほど会計に強い関心を持っていない限り。たいていの場合は単位を取らないければいけない科目という位置づけでしょうから。

授業中、減価償却の例について、純粋に耐用年数をもっと短くできないのかという質問が出たときには新鮮でした。ちなみに例として使われたのは定額法のみで、定率法やその他は触れられずに終わりました。

9/12/2015

Week 1 Wednesday Finance class

今週の水曜日8:00pmからはSports Business & Financeというクラスの第一回でした。

他のクラスと同様、まずは教授陣の自己紹介からスタート。

2人のうちクラスをリードする1人は40代過ぎの弁護士事務所勤務の弁護士。キャリアは公認会計士としてDeloitteでスタートしたようですが、今は弁護士。Georgetownで教えるのは2年目だそうです。もう1人は経済学のPhDをもつ50代後半くらいの人で、University of Virginiaなどで教えた経験はあるものの、Georgetownで教えるのは初めてということです。

異なる2人ですが、かつてDC Unitedというサッカーチームを地元に招くときのサッカー場のEconomic Impact Analysisとかを相対する立場で実施したことがあるようです。一つのチームの経営の視点で行う会計というよりも、スタジアムの建設とか、チーム招致に際して分析するという仕事はそう頻繁に起こらないものの、実際に関われる立場になれれば大変面白い仕事かと思います。

このクラスは選択科目として受講しています。というのもGeorgetownのSports Industry Management Programでは「Strategic Marketing, Communications, & Digital Media 」と「Business, Management, and Operations」という二つのいわば専攻分野があり、各人が選択することを求められ、このSports Business & Financeのクラスは後者に属し、私はMarketingのほうの専攻だからです。

ということで、このクラスでは9月に入学した人、別のコース専攻でやっていく人が多くいるため、普段見ないクラスメートが多数います。9月入学は数が一番多く、卒業したての人も多く、平均年齢がSummer Semesterより一気に下がった気がします。その人たちと協働作業があるかと思いきや、グループプレゼン等はシラバスを見る限りなく、一人黙々と試験を受けるタイプの科目です。

しっかり良い成績で単位がとれるように頑張っていこうと思います。



9/10/2015

Week 1 Tuesday classes

今週の火曜日は下記の2つのクラスの第一回の授業がありました。

  • Strategic Sports Marketing
  • Sports Communications and Public Relations
Summer Semesterと同様、各クラスは2人の教授によって進行されます。毎回のように、初回の授業では教授と学生の自己紹介があるのですが、Marketingのクラスでは自己紹介で言及するポイントが前方の画面に映し出されていて助かりました。

Name, Hometown, Currently living in, Undergrad, Sports interest, Current work, Favorite team(s), Favorite Sporting Event, Key deliverables from this class, Goals after this program

いったん全員の自己紹介が終わると、Octagonで働く先生がサッカーに興味のある学生が多くて驚いたと言及しました。その先生は生粋のマーケターで、世間での人々の興味関心、エンタメ動向など幅広くカバーしているようで、それに基づいて広告手段などを決めるようなので、サッカーへの関心の高さにアンテナが反応したそうです。こういう何気ない質問項目にも意味がある場合があるので、要注意です。

http://www.octagon.com/

CommunicationsのクラスにもOctagonからの先生が一人いました。また、このクラスでは9:00pm以降3クラス合同で先生の紹介があったのですが、NFLPA (Players Association)のPRの人、Washington WizardsのPRの人など、興味深い陣容です。学生の人数が多いので、普段は3つのクラスに分割されていますが、こうやって時々合同して、私のクラスの先生以外の教授陣から話を聞くこともできるのはクラスの品質を高めてくれる点で良いと思います。

授業の後にSyllabusが公開となったのですが、11月にフィールドトリップでVerizon CenterでWizards戦の観戦ができるようです。先生が何度もSyllabusは常に更新されて変更はあると言及していたので要注意ですが、フィールドトリップの予定だけは変わらないことを祈ります。

9/05/2015

Week 1 Fall Semester

3週間程度の夏休みを終え、Fall Semesterが始まりました。

今週は変則スケジュールで木曜日のみ授業がありました。正確には、水曜日も授業があったのですが、来週の月曜日がLabor Dayなので、月曜日の授業が水曜日に振り返られていたため、私にとって木曜日がFall semester初めての授業となりました。

今週授業があったのは、The Business of Sports Media。他のクラスと同様2人の先生によって進められます。

このクラスは昨年の秋から始まった新しいクラスのようで、授業に最適なテキストはないので、教科書の購入はありません。しかし、Harvardのケーススタディーを購入したりというのはあるようです。

当時のAssociate Deanとの話のなかでSports Industry Management ProgramのなかでMediaに特化した授業がないよねということで始まったこのクラスは、MediaがSportsの世界で果たしている役割がとんでもないからです。というのも数字を見てください。CBSテレビはNFLとの放映契約で2.7億ドルの契約をしているのです。これは単年契約で、翌年度は金額の見直しが起こりえます。

このクラスは選択科目の位置づけで、18人中私を含めて4人が留学生です。韓国、コロンビア、ギリシャといった感じです。アメリカ人だけのクラスだと本当にアメリカに絞ったトピックになりがちですが、これだけ留学生がいるとアメリカを飛び出したトピックも満載になりそうな期待があります。韓国は冬季オリンピック、日本は夏季オリンピックもありますから、放映権の話とかでは話が膨らみそうです。

オリンピックといえば、昨日の授業でオリンピックを定義してみよというのがクラス内でありました。
International competition for multi sports for only 18 days

18日間でやるというのは知りませんでした。たしかFIFA World Cupも30日かそこらの期限があったかと思います。

7月の末に東京でオリンピックをするのはアスリートにとっても観戦者にとっても危険という声が日本で上がっています。現在行われている、テニスのUSオープンでも危険する選手が後を絶ちません。NYは31度くらいだそうです。日本からすると31度なんてたいしたことないから、日本でやるオリンピックはなおさら危ないじゃないかという声も上がるかもしれません。でもアメリカで30度を超えると、日差しは日本より強いです。湿度は日本ほど高くなく、ずっと日に当たっていると、気が萎えます。日本とは少し質が異なる気候です。日本は湿度が高いので、疲労がたまる感じでしょうか。10月とか涼しい季節に夏季オリンピックをやればいいじゃないかという声も上がるでしょうが、スポーツの年間スケジュールを変えるのは難しいでしょう。10月ではアメリカでもうNFLのシーズンが始まっています。FIFA World Cupのカタール大会の開催時期を11月、12月に移動できたのはFIFAにアメリカ色が強く反映されていないからでしょうか。もっとも招致活動で汚職にまみれていたカタールで本当にWorld Cupが行われるか現時点では不透明ですが。


9/04/2015

Fall Semester

しばらく更新が滞っていましたが、昨日よりFall semesterが始まりました。

  1. 火曜日- 5:20pm-7:50pm Sports Marketing; 8:00pm-10:30pm Sports Communication & Public Communication
  2. 水曜日- 8:00pm-10:30pm Sports Business & Finance
  3. 木曜日- 5:20pm-7:50pm The Business of Sports Media
の4科目で12単位取得を目指してやっていきます。12月の中旬までこのスケジュールで動くので、Summer Semesterよりも長期戦です。

第1週は変則スケジュールで木曜日の授業しかありませんでした。少し昨日の授業について別の投稿で触れたいと思います。

8/07/2015

Sports Responsibility and Globalization in Sports Summer 2015

今週の火曜日(8/4)、表題の科目のFinal projectのグループプレゼンがありました。

我々が選んだテーマはNikeによるSoutheast AsiaへのCSR活動。Cause Marketingではなく、CSRです。

NBAとWNBAに所属するNikeと契約する選手とともに、Indonesiaの工場(Nikeの工場ではなく、契約工場)で働く従業員へのLeadership/Management skill教育を実施。資金は北米市場で販売する特別ラインのバスケットボールシューズの販売から。

プレゼンはこんな構成でやりました。
  1. Background
  2. Program overview
  3. Leadership education
  4. Health and wellness
  5. LEAD and Nike
  6. Alignment with Nike
  7. Marketing
  8. SWOT Analysis
  9. Benefit and partner
  10. Accounting
  11. Monitoring and evaluation
  12. Closing
この内容で15分以内に完結。ちゃんとレポートが前日までにできあがり、私が担当したPowerPointは当日の午前中までにできあがり、当日の発表前にはチームで2回も練習したこともあって、15分以内に収まりました。

成果物の質はというと、かなり仕事でやるようなレベルと近似する感じです。ちゃんと我々の考えたプログラムの実現可能性を十分に考慮に入れた成果物となりました。そして、しっかりしたチームメンバーに恵まれました。SIMのプログラムは入学タイミングが1月、5月、9月と3回あり、この学期で卒業するチームメンバーはいないものの、卒業の時期に近い熟練のメンバーや私よりも先に入学したメンバーがいたりと、本当に構成に恵まれました。チームワークのchemistryで仕事と違うのは上司、部下の関係にはないということです。でも、自然と本人の経験等に基づいてアドバイスを提供する側、提供される側など、関係性が確立されていきます。

プレゼンが終わると二人の先生から質問と批評があるのですが、これも非常に役立ちます。先生の批評はプレゼンの中で役割が明確になりすぎているという点でした。これはうまくメンバーそれぞれでの強みを生かした成果物を導くという趣旨でもあったのですが、もうちょっとメンバー内で重複するような調整が見えても良かったのかなという指摘がありました。

仕事の場面ではお客さんからダメだしもあります。そして、内部のステークホルダーとして上司からこうしたら良いというアドバイスもあると思います。そういったアドバイスはお客さんの意向に沿ったものに意図的に導く場面もあろうかと思います。こういった授業の中で、先生がいわば独立した立場で将来スポーツの世界でのリーダーになっていく人たちに建設的なアドバイスを提供してくれるというのは最高の練習舞台に置かれているのだなという充実感があります。自分たちだけでなく、他のチームへのフィードバックを聞けるのも本当に良い機会だなと思います。思わず頷きたくなることが良くありました。

最後に、この授業では4人から5人のグループが4つ構成されたのですが、2つのグループがNike、別の2つのグループがUnder ArmourをCSRのグローバルパートナーとして選択した点は興味深い点でした。とはいってもUnder ArmourはBaltimoreに本社を置く企業ですから、地理的に近いのでもっともな選択でもあります。東のUnder Armour、そして創業者が退いたOregonに本社のある西のNike、どちらの今後も注目です。

8/04/2015

Week 12 Final

今週はいよいよSummer termのFinalとなります。

Finalとは何をやるかという疑問もあると思うのでここにざっくり記載します。

  • Sports Responsibility and Globalization in Sports
これはCSRのクラスですが、グループでの12ページ以内のレポートの作成と15分以内のプレゼンテーションです。テーマはグローバル企業に対して、CSR活動またはCause Marketingの提案をするというものです。
  • Sports Leadership and Management
事前に与えられたお題に対して、様々なステークホルダーの利害を整理し、逆の立場のパーティーとの議論。グループでのレポートは10ページ以内、プレゼンテーションが5分、議論が15分です。
我々はFIFA World Cup2020のカタールの開催について、カタールの準備委員会(政府)の立場で、UEFAまたはCONCACAF(米国など)と議論で戦います。
  • Applied Ethics and Governance in Sports
Mid termでグループで発表したテーマについて、グループを2つに割ってそれぞれの立場でのレポートを作成(2.5ページ×2)と、5分の議論。

以上となりますが、お題によって準備に割くべき時間を決定し、綿密に準備するところにリソースを重点的に充てることになります。

7/26/2015

Week 10 ゲストスピーカー

今週のスピーカーEthicsのクラスでは、まず最初ゲストスピーカー3名によるパネルディスカッションでした。

いつもどのようにスピーカーを連れてくるのか気になるところですが、今回も学校が用意するというよりも、教授陣の人脈によるものでした。
ときどき、当SIM Programの卒業生がパネルとなることもあります。もちろん卒業生ならだれでもなれるというわけではありません。今回の卒業生パネルはWashington Redskinsにてブランドコミュニケーションを扱う女性でした。

なかでも興味深かったのは、STXという会社のBrand Directorを務める方のバックグラウンドです。

http://www.stx.com/

もともとはNikeでBrand Managementの任務についていたそうで、当時もラクロスを主要なターゲットとしていたそうです。

そしてSTXへ。このSTXという会社、知らなかったのですが、ラクロスの防具等を取り扱っています。Nikeでの功績が買われて、STXに転籍。先生はパネルの方がNike時代にいっしょに仕事をしたことがあるそうです。

ちなみにラクロスはアメリカで人気の種目です。オリンピックでも、アメリカの代表チームは強かったと思います。競技人口も他のスポーツと比較してもかなり上位に入ります。

学生を前にして選ぶ言葉も慎重です。とくに記憶に残っているのは、market segmentationです。大都市にはいくつかのスポーツチームがあり、消費者のうち誰にスポットをあててマーケティングするのか。大学生なのか、社会人なのか。メッセージを間違えると、将来行き詰まる。他のチームと同じようなことをやっていては差別化できず、埋没してしまいます。大都市の例でいうと、New York YankeesとNew York Metsみたいなものです。

当たり前のことかもしれませんが、現場で働く人からのメッセージというのはストレートに伝わります。これがbusiness school等で学ぶことの醍醐味だと思います。社会人として日常の行動範囲の中で出会う機会のない人というのは必然的にあります。

社会人になってからも好奇心をもって、他の業界の人や、バックグラウンドの人からヒントを得ようとする姿勢は大事だと思います。

先日、日経新聞の夕刊で50代の記者が法政大学のビジネススクールで女性の社会進出について学ぶ連載が掲載されていたので、ついつい見てしまいました。

仕事をしていると、どうしても時間がないなんてこともあると思います。でもふと時間ができたとき、一歩日常から踏み出した世界には、これまでの自分にチャレンジしてくれる世界がそこにあると思いますので、教科書や書籍からは一歩離れて、ビジネススクール等学ぶことは有意義だと思います。