1/11/2009

監査法人で働く会計士たち

皆さんは監査法人で働く会計士たちにどのような印象を持っていますか?

僕は監査法人に入って1年以上が経ち、持っている印象は、いろいろあります。

試験に受かった当時あるいはそれ以前から独立志向の強い人については、小規模クライアントの現場責任者を経験したりして、A to Zの知識をまんべんなく持っていたりします。いわゆるオールラウンドプレーヤーという人でしょうか。そういう人は結構、大規模クライアントの業務でも重宝されたりします。

では新人時代から大規模クライアントの業務ばかりに従事してしまうとどうなるか。場所によって違うのでしょうか、業務は極めて細分化されており、全体が見えてこない感じだと思います。専門性の追求と言えば聞こえはいいですが、誰もが希望する業務をできるわけではありません。ローテーションで出番を待っていなくてはならない時期もあります。実際にこういったケースは多々あると思います。オールラウンドプレーヤーとは対極的な存在です。もちろん、大規模クライアントの業務に従事するということは、そのクライアントの業務展開に公共性が高くて、やりがいのある場であるのは間違いないと思います。それは誰もができるわけではないので、誇りを持って仕事をしたほうがいいと思います。

僕の上司たちは大規模、中小規模のクライアント業務を経験してきたと思われる人々なので会計士としての総合的なスキルは高いです。でも、つい最近監査法人に入った人に将来それを期待するのは厳しいかなと感じます。5年前、10年前に試験に受かった人たちとは環境が違いすぎます。おそらく大規模クライアントに配属された新人は総合的なスキルを持ち合わせずに将来シニアへ、そしてマネージャーへとなっていくことでしょう。独立志向のないサラリーマン会計士の大量生産時代の突入です。ほんとにそうなるのでしょうか。それが監査法人が目指している姿なのでしょうか。

しかし今現在の監査法人のパートナーたちは決してサラリーマン会計士ではないと思います。社会の需要に応じて、監査法人の変化を志向し、品質の高いサービスを追求する大規模集団のリーダーたちです。

今は試行錯誤の時代でしょうか。5年後、10年後はどのような姿なのでしょうか。スタッフのうちから将来のあるべき姿を描こうとしなければ、決して明るい未来はないはずです。