2/22/2009

IFRS準備

先週、ある会社主催のIFRSパネルディスカッションに参加してきました。

僕がパネラーではなく、監査法人のパートナーであったり、事業会社の経理担当役員や部長クラスの人がパネラーでした。

監査法人にとってIFRSは、J-SOX後のドル箱となる存在です。事業会社にとっては、またコンサルティング契約を結んで費用がかさむといった感じでしょうか。

実は監査法人にとっても、人材の教育という観点でIFRSは負担を強いるものです。ヨーロッパが主体となって今ではアジアの国々でもIFRSの採用が実現していますが、日本エリアにIFRSに精通している人材が充実しているかは疑問です。

IFRS採用に際して、各国の会計事務所がクライアントとともに解決した問題などのケーススタディーの共有といった観点ではBig 4は有利です。しかし、日本でそのケースが全て当てはまるとは限りません。GAAP差異解消に必要な項目の整理ではIFRSとJGAAPの比較をしなければなりません。日本以外にJGAAPを採用している国はないでしょうから、多くの企業が日本でIFRSを採用ということになれば初めての実験となるわけです。

現時点でどれだけ会計事務所にIFRSに精通した人材が育っているか。僕が思うに会計事務所には人材は不足している状況です。ロードマップが明示されて、これからしっかり準備していこうという会社がでてきてもなかなか品質の高いサービスを多数の企業に提供しようとしても困難に直面するでしょう。

事業会社にとっても、品質が確保されていないサービスに多額の費用をかけたくないという気持ちはあるでしょう。

しかし、われわれはその期待に応えるべく、来たるべく日に向けて準備をしています。