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10/19/2015

Business Risk

アメリカにいる現在でも、ここ最近日本では横浜のマンション傾斜問題は大きく取り上げられているのではないかという印象を受けます。

消費者である住民は一生ものの買い物をした一方、販売業者、施工業者は十分な注意義務を払って消費者に商品・サービスを提供できたのか。

スポーツの世界でも可能な限りリスクは回避できるように運営されてしかるべきです。細かいところでいえば、チーム管轄下の選手のSNS発信。わけのわからないことが世界に発信されてチームのブランドが傷つかないように。NFLをよく騒がせるDV(家庭内暴力)もひとつのリスクでしょう。

そのほかに、災害が起きた時にスタジアム内の観客を安全に誘導できるようなプランが設計され、現場スタッフに指導が徹底されているか。

話をマンション傾斜問題に戻して、果たしてこのリスクは回避できることができたのか。販売業者の三井不動産レジデンシャルは上場会社の三井不動産の子会社ですから、財務報告に係るリスクはちゃんと手当てするようなプロセスがあってしかるべきです。では究極的に財務報告にヒットしてしまう今回のようなビジネスリスクは?

おそらく三井不動産レジデンシャルの経営陣にとってほとんど検討したことのないようなリスクなのでしょう。間違っているかもしれませんが、契約をきっちり交わして施工業者に工事をお願いするわけですから、三井不動産レジデンシャルは性善説にたって、施工業者の下請け監理状況まではチェックを行おうとしないでしょう。おそらく、契約書に「施工業者は下請けを設ける場合には、下請けを責任をもって管理する」なんて文言があり、「責任が履行されない場合には販売業者である三井不動産レジデンシャルに対して賠償責任を負う」と責任を明確にしているのではないでしょうか。

でも、もし責任が履行されないときに、お金による解決はできても消費者であるマンション購入者は長期にわたり不安に貶められてしまうわけですし、当の販売業者三井不動産レジデンシャルの評判も著しく棄損することでしょう。

会計監査の経験に基づいて、ビジネスリスクを管理するサービスを提供する日本国内の大手監査法人。今回の事件に対処する専門的スキルが備わっているかというと疑問です。私が一緒に仕事をした仲間では上司を含めて建築の専門的知識を有している人はいませんでした。「下請け監理のリスクとコントロールを識別して文書化、コントロールテストをしましょう」というところまで監査法人ではできますが、果たしてコントロールのテストまで請け負ったときに、ちゃんと証跡を正しく読める人材がいるのか(さらに踏み込んで、偽装の可能性まで見抜けるか)。残念ながら厳しいです。

今回の件に関しては、監査法人のビジネスリスクサービスの無力さを感じてしまいます。

2020年の東京オリンピックに向けてスタジアムの新規建築、マンション需要の増加が見込まれて、建築にまつわる今回のようなリスクは確かにそこに存在するのにです。

現状の監査法人だけでは対処できないリスクですから、大手建築事務所やゼネコンとタッグを組むというのも一つの手段としては良いかもしれませんが。

11/22/2009

監査法人

最近ブログに書くことはもっぱらMBAの準備でしたが、たまには監査法人について書いてみたいと思います。

公認会計士受験生の方にとっては受験発表の時期のようですが、監査法人にとっては新たに人員を増加させることを意味します。

2年前のことですが、大量の人員を受け入れたことで、次の年はこれほどまでの人員増加はないだろうと思っていました。ところが昨年末、規模は削減されたものの大量の採用がまたありました。監査の現場では文字通りの「ワークシェア」です。現場に行けず、仕事がない連中もいます。それが何ヶ月も続く人もなかにはいます。普通の会社では想像もつきません。

実力のある人はその間に自分のやりたいことに向かって監査法人を去っていきましたが、不況の時期と重なり辞めていく人よりも残る人のほうが圧倒的に多くなりました。

ワークシェアの現状ですから、残るものにとっても、社内でのチャンスを得る機会は少ないです。これがやりたいといってみて、実際に実現できる機会が非常に少ない。一人当たりの仕事が少なく、なかなか新しいことができない。

目立った人員削減という選択が経営陣にできない今、スタッフやシニアスタッフ、マネージャーの賃金削減という手段に打って出ました。正確には毎月の給料ではなく、ボーナスの削減ですが。人員は増える一方で、このボーナス削減は来年もあるでしょう。現時点では明言されていませんが、きっとそうなるはずです。これが一定の人員カットとして機能する日も遠くないはずです。

受験生の方に今一度考えていただきたい。実務を積むのは必ずしも大手の監査法人が全てではありません。

7/18/2009

働く場としての監査法人

米国では結構大学生に人気の就職先として大手会計事務所が名前が挙げられたりしています。日本では知名度が低いですし、米国と違って試験合格者しか受け入れないという環境なので結果は違ってしまいます。

しかし、今日はこのブログで書いておきたいことがあります。

先週は研修だったのですが、たまたま同じグループで席が隣になった女性が監査法人の職場として魅力を教えてくれました。特に女性にはこれは聞いてもらいたいです。

その女性は前の職場でUSCPA試験に合格しており、数年前に日本の会計士試験に合格して今の監査法人に入社したとのことです。そして、昨年から今年の4月までは産休を取得しており、職場に復帰後は時短で働いていると聞きました。4時には研修を飛び出し帰宅していました。ただ働いているという感じではなく、研修中にやる課題は要領良く終わらせるし、メモもちゃんととり、何よりも日米の試験に両方合格してしまう要領のよさ、勉強のできには尊敬します。

時短で働くというのは他の人よりも早く帰らなければならないため、他の人の目は気にならないか聞いてみましたが、決してそのようなことはなく、そのような環境(現場)には置かれないように配慮されているとのことです。時短には他にも選択肢があるようで月曜日から木曜日まではフルタイムで働くけれども、金曜日は毎週休みにしている人もいるとのことです。

その女性は他の会社では無理であろうことが、今の職場では可能で働く母親には素晴らしい環境であると話してくれました。これが当たり前の環境であるべきですが、ちゃんとそのように環境が整備されていることに、少し誇りに思いました。優秀な女性を職場にとどませること、これこそ企業としての競争力を確保する源泉となるはずです。

3/16/2009

試験合格発表

先週、日本の公認会計士修了考査の合格発表がありました。

たしか、受験者のうち70%以上の人が合格したと思います。

僕の周りにも晴れて合格した人、残念ながら今年は不合格だった人がいます。今年合格した人の中には、去年残念な結果に終わった人も含まれますが、今年はきっちりと合格しています。

修了考査に合格した人で、諸条件を満たした人は、公認会計士として登録ができるようです。費用が14万円ほどかかるようですが(僕のUSCPA初期登録は330ドルとAICPA登録220ドル以上でした)、全て監査法人が負担してくれます。

公認会計士になった人はこれからどうするのでしょうか。現在は不景気だから、やはり景気が好転するまでは監査法人にとどまるのでしょうか。それとも、合格及び登録を契機に辞めてしまうのでしょうか。ちょっと見ものです。

3/12/2009

転換期

誰にとっても人生の転換期というのは来ると思います。

それは結婚であったり、学生を終えて社会人になる時であったりします。

つい先日僕が目の前にした他人の転換期は、転職です。

以前僕といっしょに仕事をした人が監査法人を退職されました。人づてにその話を聞いて初めてわかりました。すでにシニアスタッフの4年目であったことから、マネージャーになる目前の人でした。あの人は監査法人を辞めず、残っていく人なのだと思っていました。しかし、実際には違いました。

今日のような経済状況で転職を決意されるのは相当勇気がいると思います。ひょっとしたら転職ではなく、留学だったりするかもしれません。実際進路を聞いていないため、わかりません。

僕自身も最近、そして今日も転換期を意識する生活をしています。漠然と今の状況続くことが不安に思います。今の状況というのは、人あまりの状況で、ワークシェアをしている感じです。現状ではIFRS業務で忙しくなるといった生活は来ていません。正直、残業もありません。

仕事がないならTOEFLやGMATの勉強をもっとがつがつやろうという気になります。自分の人生をデザインする責任は己にあるのですから。あと5年後、10年後の自分の姿を思い描こうとすれば、必ず努力できるはずです。

1/11/2009

監査法人で働く会計士たち

皆さんは監査法人で働く会計士たちにどのような印象を持っていますか?

僕は監査法人に入って1年以上が経ち、持っている印象は、いろいろあります。

試験に受かった当時あるいはそれ以前から独立志向の強い人については、小規模クライアントの現場責任者を経験したりして、A to Zの知識をまんべんなく持っていたりします。いわゆるオールラウンドプレーヤーという人でしょうか。そういう人は結構、大規模クライアントの業務でも重宝されたりします。

では新人時代から大規模クライアントの業務ばかりに従事してしまうとどうなるか。場所によって違うのでしょうか、業務は極めて細分化されており、全体が見えてこない感じだと思います。専門性の追求と言えば聞こえはいいですが、誰もが希望する業務をできるわけではありません。ローテーションで出番を待っていなくてはならない時期もあります。実際にこういったケースは多々あると思います。オールラウンドプレーヤーとは対極的な存在です。もちろん、大規模クライアントの業務に従事するということは、そのクライアントの業務展開に公共性が高くて、やりがいのある場であるのは間違いないと思います。それは誰もができるわけではないので、誇りを持って仕事をしたほうがいいと思います。

僕の上司たちは大規模、中小規模のクライアント業務を経験してきたと思われる人々なので会計士としての総合的なスキルは高いです。でも、つい最近監査法人に入った人に将来それを期待するのは厳しいかなと感じます。5年前、10年前に試験に受かった人たちとは環境が違いすぎます。おそらく大規模クライアントに配属された新人は総合的なスキルを持ち合わせずに将来シニアへ、そしてマネージャーへとなっていくことでしょう。独立志向のないサラリーマン会計士の大量生産時代の突入です。ほんとにそうなるのでしょうか。それが監査法人が目指している姿なのでしょうか。

しかし今現在の監査法人のパートナーたちは決してサラリーマン会計士ではないと思います。社会の需要に応じて、監査法人の変化を志向し、品質の高いサービスを追求する大規模集団のリーダーたちです。

今は試行錯誤の時代でしょうか。5年後、10年後はどのような姿なのでしょうか。スタッフのうちから将来のあるべき姿を描こうとしなければ、決して明るい未来はないはずです。

12/22/2008

会計事務所の雇用情勢2

最近監査法人が大量に採用している動向について書きましたが、それについて追加することがあります。

僕が勤めているところとは別の大手の監査法人に勤めている人に話を聞きました。やはり、人が多すぎるそうです。シニアやマネージャーくらいの人が少なくて、スタッフがものすごく増えてしまったとのことです。人が溢れているのが現状のようです。

もう1人にも話を聞きました。僕が勤務する監査法人の人事担当者に話を伺いました。最近は採用を(極端に)抑えており、僕が今応募しても採用しないだろうと言われてしまいました。

ウソではなく、本音で言っているように感じました。実際に、応募してくる人も少ないようです。

監査経験のないスタッフレベルの人が入ってきても、1年目のスタッフとなるため、溢れているスタッフにさらにスタッフを追加するようなものですから。監査経験のあるシニアレベルの人なら採用を考えるのかもしれません。

大手監査法人の人員の増員。それは将来2年から3年後のIFRS業務の拡大をにらんでのことでしょうか。日本の会計士試験合格者数がこのペースである限り、大手の監査法人の人員が1万人を超えるのはそう遠くない将来の話です。

USCPA合格者はどうするのか。試験に合格しても監査法人で仕事ができないのでしょうか。将来はどうなるかわかりませんが、少なくとも今は非常に厳しいといっておくのが、本当のところです。

12/01/2008

会計事務所の雇用情勢

今年の監査法人巨大監査法人の雇用人数はどれくらいになるのでしょうか。

先月日本の公認会計士の合格発表があって、各監査法人も面接に動いたはずです。あくまで予想ですが、数百人規模で新規に採用することになるのでしょう。

海外の大手会計事務所はどうか。

香港の知り合いからの話だと、PwC以外ではスタッフレベルでレイオフが始まっているそうです。それを聞くと、日本の監査法人が数百人規模で人員確保に動いているのは不思議な気がします。

香港で解雇された人は日本に来れば採用されてしまうのではないでしょうか。実務にも長けていて、英語が自由自在に操れれば、全く問題ないでしょうに。ビザだけが障害なのでしょうか。あるいはビザが唯一で最大の障害なのでしょうか。

10/18/2008

組織/チームでの役割

監査法人では、Junior Staff→Senior Staff→Manager→Senior Manager→Partnerといったように、能力や経験年数によって求められる役割が異なります。

Junior StaffからSenior Staffとなれば監査実務の現場では求められる役割も変化してきます。僕のようなJunior Staffにしてみれば、優秀なSenior Staffの下で働くことに大きなやりがいがあります。Junior Staffを教育するという役割が求められますので、明らかに1年目、2年目と人と違うリーダーシップが求められます。

Partnerともなれば、監査報告書にサインするような人たちですが、Senior ManagerからPartnerになったことで周囲の反応が変わり、現場スタッフとの距離が遠くなることを嫌う人もいます。スタッフがどういうことを考えているのか目を配っている人も中にいれば、中には距離を置こうとしている人もいるかもしれません。

スタッフの能力底上げに熱心なPartnerもいます。そのような人は尊敬に値します。

将来自分がそういう人になれるかどうかは疑問です。忙しいからといって相手にしない人になってしまうかもしれません。

10/13/2008

TOEIC

監査法人、特に僕の勤務している監査法人の話ですが、TOEICのスコアは高いものを要求してきます。USCPAの面接応募者ならば当然にスコアは高いほうがいいです。たとえば、900点以上とか。

監査法人に入ってからも、TOEICは毎年スコアを更新しなければなりません。事実、監査法人に勤務する構成員の平均スコアというのは、世間一般の平均スコアを知らないので何とも言えないのですが、それほど高いといった印象を受けません。みんながみんな国際業務に従事したいと思っているわけではないですし、海外に暮らした経験を持っているわけではありませんから。600点とか700点を目指す人が多いと思います。僕が700点くらいをスコアしたときの英語のレベルを振り返ると、大して英語を上手く使いこなせていなかったのではないかと思います。世間が700点を要求するとしたら、ずいぶんハードルが低いと感じるし、それでは現場では明らかに不十分です。スコアが求めているレベルより、実生活で英語を要求されるレベルははるかに英語力に柔軟性を求められます。僕と同じ感覚を持っている人もいると思います。TOEICのスコアじゃ測れない英語力が求められているんです。

学生でも仕事でも海外滞在経験のあるUSCPAならば、どうやって差別化を図るか。TOEICのスコアに縛られることはありません。ちょっと対策を練って、年に一回受験をして900点、できれば950点以上を出して日本にいても国際業務に従事する準備が整っていることを主張するくらいじゃないとだめですよね。

僕は準備ができているんですけど、実際には内部のスタッフィングの問題でチャンスをものにできていません。

8/31/2008

監査費用

先週木曜日の日経新聞に監査費用の記事が掲載されていました。

ランキング上位の傾向は、米国会計基準で開示している企業が多くあります。

日本では特定業種を除いて中間監査がなくなり、四半期開示が義務づけられますが、業務量は増加する傾向にあります。

内部統制監査による監査報酬の増加ブームの次は、、、

おそらく近い将来、かなり近い将来日本にやってくるであろうIFRSのConversion or Adoptionでしょう。

日本のBig 4のWebpageを見ると、IFRSのコンテンツが充実する傾向にあります。情報源として全てチェックして最新の情報をアップデートしなくてはなりません。僕はまだそこまでいっていません。

今後クライアントが必要とする情報は間違いなくIFRSです。

6/12/2008

監査チーム

本日2回目。

最近の状況について。

監査チームから人が離脱していきます。僕の所属していないチームでも次々と離脱者が出ています。

その中心は4年から6年の監査経験を積んだシニアスタッフくらいの人たちです。そういった人がチームからぬけてしまうと、残されるのはジュニアレベルのスタッフばかりです。残されたチームを指揮するマネージャーも大変です。マネージャーもいついなくなってもおかしくないですが。

チームには蓄積された知識とかが共有できればいいのですが、知識が蓄積されるのは主に人です。もちろん、ドキュメンテーションが行われて将来のために共有されるものもあります。

それでも、チームはもろいものです。毎期異なるチームで監査を行う感じです。4半期レビューごとに違うチームメンバーで業務を行うのが今後見えてきそうです。

でも去り行く人々にも辞める理由がそれぞれにあるはずです。その理由は想像の域をでませんが、なんとなく理由が見つかりそうです。それは収入であったり、監査とは違う目標であったり。

もともと監査法人はたくさんの人が長年残ることを前提としていない組織なので、大量採用大量離職の組織となっています。現実にいまそれを体現しているのがチームの状況です。

3/04/2008

Insider trading

最近、新聞紙上で取り上げられている、公認会計士のインサイダー取引について一言。

監査法人によって差異はあるものの、どこの監査法人に所属する会計士も被監査会社の株式売買は禁止されています。差異というのは、社員・職員が所属する監査法人のクライアント全ての銘柄を取引禁止にしているところもあれば、関与先銘柄(関与の可能性のある銘柄を含む。)の売買を禁止対象としているようなところもあります。

そもそも関与先銘柄を知人名義で取引するようなことはありえません。欺こうとする意思が明白です。日々クライアントの機密情報に接する監査法人に対する証券市場の信頼が崩壊します。高度な職業倫理を有する会計士にクライアントと市場は信頼を寄せていると思うのです。それを影で無視して私腹をこやそうとしているような者は排除されなければなりません。

今回のことについては本当にがっかりです。

2/06/2008

監査法人の人員事情

日本の監査法人は公認会計士試験合格者を合格発表後、定期採用として大量に採用します。アメリカでも同様です。

アメリカでは合格者ではないものの、大学を卒業した者を大量採用します。そこから厳選されたものがのちのち組織の出資者および業務執行権を有するパートナーとなるわけですが、そこに到達するのは一握りの人たちです。

組織の階段を登っていくにしたがって、数多くの脱落者がでます。みんながその頂点に立とうと思ってはいないためです。頂点に立てなかった人は敗北者ではないことを忘れないで下さい。

監査法人では大量の人が門をたたき、大量の人が辞めていきます。僕の周りにも最近辞めていった人がいます。きっと志があって、ゴールに到達するために退社することを選択したに違いありません。

監査法人に入ってみると、僕の本当のゴールは何かともう一度問わなければいけないな、と感じてます。大事なテーマだから慎重になって、5年とか10年先のことも考えなければならないので1週間やそこらでは結論はでないものの、考え続けなければならないことの一つです。

12/28/2007

小説 会計監査

今、この本を読んでいます。著者は元中央青山監査法人のパートナーです。

監査業界に身をおく者として、つい手にとって読んでみたくなるような内容だったので購入することにしました。

「小説」となっていますが、極めて実話に近い内容になっているのではないかと思ってしまう中身で、ひょっとしたら今後、本の内容をめぐって訴訟が起こるのではないかとはらはらしています。

たしかに舞台は「セントラル監査法人」で、新設の「あたら監査法人」やウォール街の「サティー」とかが登場していますが、容易に実名を言い当てることができる形になっています。

中央青山監査法人の業務停止が起きてからおよそ一年六ヶ月、元パートナーは実際に起こったことを「小説」という形で真実を語ろうとしたのかもしれません。

新聞報道に踊らされてしまった世論や僕なんかはもう一度真実を見つめ直したほうが良いと考えました。

9/09/2007

監査法人に入る前に

このブログをご覧になっている方の中には、これから監査法人に転職してみたいと考えている方がいるかと思います。

僕は所属する監査法人がどういった区分で部署が分かれているのか全体を把握していないのですが(もちろん事務所の所在地によっても違うでしょうが)、応募する際の一つの目安としてあるIndustryに特化して専門性を極めるのも一つの手ではないかと思います。

国内業務と国際業務というくくりで分けることももちろん考慮するでしょう。国際業務を考えれば、海外事務所との密なネットワークが重要なキーです。

入ってみないとなかなかわからないものですが、監査法人に集積されたKnowledgeもあなたのこれからのCareerを進化させます。このKnowledgeがあるかないかによって仕事の質は大きく変わると思います。それを最大限に活用することができれば品質の高い監査なりコンサルティングを実現できるわけです。まあ、これは監査業界に限ったことではないですね。シンクタンクやコンサルティングであれ、証券業界であれ、顧客のIndustryに関するKnowledgeは重要ですから。

入る前に、面接なんかの機会に実際に担当者に聞く機会を持ったり、既に応募先企業で働いているひとがいれば聞いてみるのも一つの手です。ホームページを見るだけでもその一端を理解することもできますし。

組織全体で品質の高いサービスを提供しようとする所で働くのは非常に良い機会に間違いありません。

9/08/2007

顧客情報流出

今週、大手監査法人から顧客情報の流出があったという報道がありましたね。顧客情報を法人貸与のPCではなく、使用のPCに保存していて、結果的にそこから顧客情報が漏れてしまった。

監査法人に入ると情報セキュリティポリシーとか顧客情報の重要性についてまずは研修があります。普通一般的には入手することができない顧客情報にアクセスすることが出来る監査法人は、顧客から信用されて情報を提供してもらうことができなければ業務はできません。だから情報セキュリティポリシーは入所時研修と年次研修で社員・職員に徹底されます。

でも結局のところは自分次第です。情報の重要性に関する意識が甘く、顧客情報を私用PCに保存している人がいたから今回のような事態になったのです。それを守れない人はこの業界にふさわしくなく、この業界を去らざるをえないでしょう。

とてつもなく恥ずかしい思いを痛感し、かつ所属する監査法人(プラス同僚)に大きな迷惑をかけ、顧客の信頼を失うなんてことは想像するだけで怖いです。

8/27/2007

USCPAに期待されるスキル

僕が監査法人の面接を受けて今後必要となると言われたスキルなどをいくつか述べたいと思います。

逆説的に聞こえるかもしれませんが、まずは日本の会計制度や税務について精通することが重要です。USCPAなのだから、日本の会計は国内の会計士に任せておけばよいなどとのんきなことは言ってられないのです。外資系のクライアントはもちろんありますが、日系企業のクライアントを担当する機会は多々あると思います。監査法人に入ってすぐに日本の会計制度を熟知することは難しいですが、日々地道に監査小六法にあたることが重要でしょう。その過程で日商簿記検定1級に挑戦することも有益でしょうし、税理士試験の簿記論や財務諸表論に挑戦する人もいるかもしれません。監査法人によっては、ある年次までにそれらのうちの何れかに合格していることを求めるところもあるでしょう。

そして、監査実務スキルを身につけることです。試験のために勉強する監査『論』から抜け出して、実務で必要となる監査マニュアルに精通しなければなりません。試験に合格したらそれでおしまいなどということはなく、試験合格はあくまでスタートラインに立てることを意味します。試験を受験された方なら感じているでしょうが、試験で問われていることはごく一部であって、実務ではもっとたくさん勉強することがあります。

好き嫌いを問わず、ITについても勉強しなければなりません。クライアントの業務プロセスではITが活用されていますから、それを理解するためにもITの知識は重要です。

英語力。苦手な人もいるかもしれません。日本の試験に合格した人の中にはできるだけ英語には触れたくないと思っている人もいるかもしれません。でも国内企業のクライアントでも海外と取引することはありますし、USCPAが海外展開している日系企業や外資系企業を担当することとなれば高い英語力が必要となることはいうまでもありません。

とにかく身につけることはたくさんあります。

7/08/2007

BIG8からBIG4へ

机の前にある伊藤邦雄著「ゼミナール現代会計入門」を手にとってみると、「ビッグ5と日本の監査法人」という部分が気になりました。あらためてビッグ8の歴史を振り返りたいと思います。

87年に米国のPeat Marwick International(PMI)と英国のKlynveld Main Goerdeler(KMG) が合併して、Klynveld Peat Marwick Goerdeler(KPMG)が誕生しました。おもしろいことに新名称はPMIがKMGにサンドウィッチされている形になっています。

そして、89年に業界第5位のErnst & Winnieと業界第6位のArthur Youngとが合併してErnst & Young(E & Y)が誕生しました。

続いて業界第7位のDeloitte Haskins & Sellsと業界第8位のTouche Ross Internationalも合併してDeloitte Touche Tohmatsu(DTT)が誕生しました。この当時でビッグ8からビッグ6と数が減りました。

その後10年間は業界に大きな再編の動きはなかったものの、98年には業界第4位のCoopers & Lybrandと業界第6位のPrice Waterhouseが合併して、世界最大規模のPricewaterhouseCoopers(PwC)が誕生しました。この時点でビッグ5への再編です。僕が持っているこの本は2001年版ですのでこれ以降の再編については言及していません。

しかし、皆さんもご存知の通り、Arthur Andersenの消滅によりビッグ4へと再編が進みました。この本が記述された時点ではエンロン事件は起こっておらず、消滅という形でビッグ4へ再編されるとは予想もつかなかったと思います。

最新版には記述が追加されているかもしれませんので気になる人は書店で確認してください。日本経済新聞社発行の伊藤邦雄著「ゼミナール現代会計入門」です。

6/02/2007

新日本監査法人転職セミナー

今日はキャリアアクセス主催の監査法人転職セミナーに参加してきました。当日まではどこの監査法人の担当者が来るのかは明らかにされていませんでした。

ひょっとしたら、このブログを読んでいる方の中にも同セミナーに参加された方がいるかもしれません。USCPAに関心がある人が、「USCPA」でgoogleすれば僕のブログにヒットする可能性もないわけではないですから。ではここで同セミナーに参加された方にご挨拶。
Hello!

今回のセミナーの焦点は特に国際金融監査部門でした。新日本監査法人の同部門や人事担当パートナーら4名の方による、キャリアパスや金融部門の業務などについての説明がありました。僕にとって特に印象に残ったのは(たぶん他の人とっても同様に。)、新日本監査法人ではUSCPAと日本の公認会計士とで取扱いに差異がないということでした。つまり、活躍できるかどうかは、その人次第と説明されていました。当たり前のことのように聞こえますが、他のところでは必ずしもそうなっているとは限らないですから、実際に機会が開かれているというのは重要です。

また、国際金融監査部門のパートナーは全ての方が海外駐在経験をしており、その半分が米国人だそうです。当該部門ではUSCPAが40%を占め、国際的な業務への関心が高いUSCPAを目指す人にとって間違いなく素晴らしい環境だと思います。クライアントも超一流です。研修もE-learningも業界トップレベルでしょう。

当該部門へ応募するには原則USCPA試験の全科目合格ですね。例外として2科目以上合格で金融や会計の実務経験がある人、特に高い英語スキルを持っている人も選考対象になるそうですが、やはり全科目合格しておくべきでしょう。

最後に。僕はここでは新日本監査法人の国際金融監査部門に応募するかどうかは明言しません。今回は多数の方がセミナーに参加していたため、事実そのセミナーに参加した僕は「新日本監査法人」という固有名詞を使用しましたが、僕個人の就職活動については固有名詞の使用を避けます。会社の固有名詞を連発すると将来ここで書きたいことも書けなくなってしまう気がします。そこで匿名性は保持する方針です。別に悪口をいうためではないので、念のため。どこかの政治家と違って真実を伝えたいんです。僕がこれまで感じたことですが、USCPAに関する情報は非常に少なくて、判断をするのに限られた情報しかありませんでした。僕のブログの読者の方には情報の一片でも有益なものを伝えたいというのが僕の方針です。